『人生パンク道場』町田康先生の爆笑人生相談

『人生パンク道場』町田康先生の爆笑人生相談

私は仕事柄、業務において直接または間接に係るに関わらず、ご依頼人から多種多様なご相談を持ち掛けられることがあります。
その都度、数少ない経験則を総動員して何とか恰好をつけていますが、話し方や内容含め、改善の余地があることは否めません。

 

著書は、老若男女の人生の悩みを、次元を超えた角度からのアドバイスで、爆笑と共に問題解決を図った書物です。
筆者はパンクロックバンドINUのヴォーカリストであり、俳優活動を経て文壇デビューの後、『きれぎれ』で第123回芥川賞を受賞した町田康氏です。 
なるほどミュージシャン出身らしく、その文体はまるでパンクロックを演奏しているかのように勢いがありますが、それとは裏腹に非常にロジカルでもあります。

 

例えば、「無理なくダイエットをする方法はあるか。」との相談には、人間は苦労をすると自然に痩せるので、労力の割に見返りが無い仕事を引き受けよ、と回答されています。
ただし、成功して周囲に賞賛されては「折角苦労してした苦労が水の泡」なので「成功しそうになったらワザとミスをするとよい」と説かれています。
さらには、「自宅のトイレに至る通路に敢えて段ボール箱や衣装ケースを積み上げて非常に通りづらくするとか、下着を取り出すためにはいったん本棚を移動しなければならない」「切れかけてチラチラしている蛍光灯を取り替えない」「流し台が異様に低く洗いものをするたびに腰を痛める」のような本気かおふざけか紙一重と言えるものもあります。

 

また、飲み会の幹事を代表とした「頼まれごとをうまく断りたい。」とのお尋ねには、「無能になればよい」としています。
日時の連絡の訂正を連発した上で、
「あ、すみません。時間に関しては前々回の訂正の部分がやっぱり正解で、日にちについてはその次の連絡が正しい日時です」などと送信した後、
やはり間違っていて直近の訂正が正解なのだが一斉送信したメールに時間差があり、前回分と前々回分が人によって異なる上、
「『あとから決まったメンバーの分は後から送りましたので、その人にとってそれは初回です』といったような訳のわからない連絡を繰り返す」と
「そんな面倒なことになるのなら自分たちでやろう」となるとおっしゃっています。

 

おふざけに全振りしたかと思えば、「内定をもらった会社にあまり行きたくない。」との問いには、人間を「田畑」に例えて、会社の業務である「種」はスキルという「実」を成らすが、もし「実」が成らなくても翌春に別の「種」を何度も植えることができることから「就職するもよし、見送るのもよし」とし、「いったんは正社員として働く、という種を自分に植えてみたらいかがでしょうか」とお答えになっています。

 

また、「ペットロスを乗り越えられません。」との相談には、愛するものの喪失によって「悲しみの囚人」状態がいつまでも続けば「自分自身も命を失う」が、「忘れることによってやがてあなたの悲しみは癒えます。」「ただし、忘れることによって同じ過ちを繰り返します。」だから「悲しみは悲しみとして大事にする。そのことが寂しい思いを抱えて死んでいったものに対して私たちが取り得るもっとも誠実な態度で」あるとしています。

 

そして、亡くなったペットのためにできることは、「いま生きている猫や人間に寂しい思いをさせないこと」であり、亡くなったペットのことを思い出しつつ、周囲の「いま生きている猫や人間」を「あなたがいたわるとき、これを天上から見たペットの魂は、俺によって救われる者がいる。うれしいなあ、よかったなあ、と感じるのではないか」と思いたいとの金言は同じくペットロスに陥った私にも響きました。

 

ほか、30歳フリーター、お金が一向にたまりません。/彼の話ばかりする友人にうんざりしています。/阪神ファンの妻が許せません。などの問答も収録されています。

 

そのパンクな思考による目から鱗の人生相談問答集は、現実にそのまま採用することは難しいかも知れません。
しかし、日々の鬱屈した想いを吹き飛ばし、精神衛生を取り戻すためには、著書のようなエッセンスを会得することが有用なのかもしれません。

 

 

 

 司法書士・行政書士 坂ア(坂崎)徳夫 総合法務事務所(有限会社 丸江商事 併設)
 代表 坂ア(坂崎) 徳夫(さかざきのりお)
(司法書士登録番号 第470788号/行政書士登録番号 第19430156号/宅地建物取引士登録番号 第010045号)
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