人間の本質と公務員制度
よく父親から
「男が一度決めたらやり遂げなくちゃあ、いかん!
辞めるのを許せば、お前は嫌なことからすぐ逃げ出す軟弱な奴になるぞ!!」
と怒号混じりに説教されておりました。
彼の中では、宗旨替えという言葉は辞書にないらしく、彼の理屈からすれば一度決定すれば自殺志願者でさえも、その変更は不許可であります。(自殺は絶対にしてはいけません。)
彼は、その人生で一度も心変わりをしたことがないのでしょうか。
そもそも、嫌なことから逃げてはいけないというのは、怠惰指向である人間の本質を無視した暴論であり、第一に私は、彼のエゴを強引に弱者に押し付ける自己満足的行為に対して極度に嫌悪感を感じたものです。
公務員制度を人間の本質を踏まえた上で鑑みるに、果たして如何なる行動をとるのが正義なのか、つまり、人間はサボれるだけサボろうとするのが自然であり本能なのだから、「役所において仕事をしない者を叱責すること」は「人間らしく生きている者への妬み」であって見当違いも見事なまでなのだが、誰もそのことに気付いていないので、一見するとあたかも怠けている者が悪で、公僕の精神で身を粉にして働いている者が善であるとする風潮であることが話をこじれさせています。
この業界で表面上、勤勉にみえる方達は、謙虚に慎ましく他人を奉り、公共の福祉のために自分の願望は二の次にする自己犠牲と奉納の精神こそが美徳であると徹底的に幼い頃から親や社会、マスコミによって刷り込まれているので、自分本位なことを思うことはそれだけでワガママだとか社会不適合者との誹りを受けて然るべきとの思考回路がプログラムされているようです。
しかし、生来の人間にとって自己の快楽のみを求道することこそ混じり気のない本能的衝動であるから、その本能を具現化せずに生きることは難しく、その表出された人間の本能のことを汚泥の如く思い込んで、一般常識などといった近代において便宜上決定されたに過ぎない幻と比べておられます。
結果的にそれが自己否定に繋がり、ひいては立派な「公僕」「滅私奉公」の出来上がりです。
かの歪んだ正義は自己評価を下げるよう仕向けられ、その方は自分の真の姿と常識という名の思い込みの蜃気楼との間で苦悶して自己辛辣の螺旋階段を転げ落ちるほかありません。
そして、転落して怪我を負わないため、長年の自責の結果、限界まで削ぎ落とした自己の魂に常識やしがらみを装備して重い重いとおっしゃっています。
重いのなら、その常識やしがらみを捨てればよいだけなのです。
ここで確信を述べます。
人間は愛欲を始めとする煩悩にまみれた下衆で愚かな脆い生物であるからこそ可愛い。
だからこそ可愛いのです。賢者や完全無欠の人格者なんか何も魅力的ではないし、かわいくありません。俗物で、見栄っ張りで、怠け者が人間という生き物です。
愚かだからこそ愛しいのです。
人間の本質と公務員制度は完全に相反関係を成しており、単純に妬み嫉みから公務員批判をしている方のほとんどは上掲のことに気付いていない、もしくは見て見ぬ振りをして自己欺瞞を続けているに過ぎず、公務員制度において生じる問題の大部分は、終局的には個人個人の問題ではなく、公務員制度を維持することそのものが人間の本質を無視した下等なる蛮行と言わざるを得ないことに起因しております。
以上のことは、決して古巣に悪意があって書いた訳ではなく、あくまでも私ひとりの個人的な一意見であり、誰か特定の方を攻撃する意図もありません。
もしご気分を害された方がいらっしゃるならば大変申し訳ございません。
私は10年間の市役所勤務において、見返りも求めず一生懸命お仕事をされている方々を存じております。
私はそんな職員の方に光が射すことを願ってやみません。
司法書士・行政書士 坂ア(坂崎)徳夫 総合法務事務所(有限会社 丸江商事 併設)
代表 坂ア(坂崎) 徳夫
(司法書士登録番号 第470788号/行政書士登録番号 第19430156号/宅地建物取引士登録番号 第010045号)
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